なでしこジャパン

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史上最大の名勝負

あくまで個人的に、今までに見たことのあるワールドカップの試合の中で、
男女合わせて、いちばんの名勝負と思うのは1982年の準決勝、西ドイツ対フランス。
フランスはプラティニ、西ドイツではリトバルスキーなんかが現役だったころの試合だ。
ワールドカップ史上、初めてPK戦で決着のついた試合でもある。

1対1で延長戦へ。延長前半フランス2得点。この時点で1-3。誰もが勝負あったと思った。
ところがその後、西ドイツ奇跡の2得点。試合は遂にワールドカップ史上初のPK戦へ。
この試合正直どっちが勝ったのか覚えていない。すばらしい試合だった。

今日の日本対アメリカはそれに匹敵する名勝負だと思う。
日本のサッカーシーンに残る試合として、世界に自慢できるものだ。

前半は完全なアメリカペース。
無失点で後半に繋げたのは奇跡といっていい。
神風が吹いたとしかいいようがない。

後半、アメリカの得点。
正直、応援していた心が折れた。ダメか。

今まで、日本代表を応援していて、得点されても折れなかった試合はたくさんある。
ジョホールバルもそうだし、2004アジアカップのバーレーン戦、今年のアジアカップの準々決勝もそうだ。

でも今日は心が折れた。アメリカは強い。追いつくのは無理。
ところが追いつくんだ。選手達はあきらめていなかった。

「女子サッカーの火を消さない」から「世界一」へ

自分がなでしこを応援するようになったのは、アテネオリンピックの頃からだ。
あの頃の選手達の合言葉が「女子サッカーの火を消さない」だった。

アテネオリンピックのアジア最終予選は、最後の北朝鮮戦までもつれた。
勝てばオリンピックに出場できる日本女子。場所は東京国立競技場。

2002年日韓ワールドカップの余韻の中、ジーコジャパン大人気の頃だった。
そこであの試合は2試合同時開催だったんだな。
ジーコジャパンの代表戦と一緒に、なでしこ対北朝鮮。サッカー協会も乙なことをする。
ジーコジャパンの前座試合的な扱いだったけど、たしか2万人位入ったと思う。
なでしこにしてみれば、これが物凄い後押しになった。
今まで見たこともないような大観衆の声援を受けての最終戦。
これに勝って、アテネに行ったんだけど、ジーコジャパンの後押しが必要なほど、
当時はなでしこの人気がなかった。

当時も、なでしこリーグという名前だったかどうか覚えていないが、
あの頃、不況のあおりを受けて企業の支援を受けている女子サッカーチームが次々と消えていった。

このままだと女子サッカーリーグはなくなる。すごい危機感を持っていたのが当時の選手達。
「女子サッカーの火を消さない」。なでしこの試合は伝わってくるんだ、そういうのが。

そして今日

延長、再びアメリカリード。
正直、また折れました、心が。
守備固めされたらアウトじゃないか。ところが。

もう正直何が起こったか、わからない。
ニアの澤姐さん。ゴールは自分の後ろだろ。決めちゃったよ。

しかもこの時点で単独得点王。
素晴らしい。本当にすばらしい。オトコをあげたな澤姐さん。

「女子サッカーの火は消えない」

表彰式で安藤梢の顔を見てホッとした。
大会無得点のまま決勝で交代させられた安藤の心境は複雑に違いない。
ところが最高の笑顔だった。よかった。

夕方の今もニュースでガンガン流れてるし、ユニフォームも売れたみたいだ。
人気も出たし、強化費用も得られたし、これで女子サッカーの火は消えない。
最高だ、なでしこ。


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