最新のChromiumもChromeも動かない古いPCでChromiumを使うLinuxの設定

SSE2非搭載のパソコンでは、最新のChromium browserもGoogle Chromeもサポート対象外という事でバージョンアップすると起動できなくなります。UbuntuベースのLinux Mintで元のバージョンに戻したんですが、その作業に苦労したので方法をメモしておきます。また、再びバージョンアップされないようにする設定方法も書き残しておきます。古いPCでは設定しておいた方が安心です。

SSE2非搭載のパソコンでは、最新のChromium browserもGoogle Chromeも立ち上がらなくなるみたいです。サポート対象外という事でバージョンアップすると起動できなくなります。UbuntuベースのLinux Mintでapt-get upgradeをしたら立ち上がらなくなりました。

そこで、元のバージョンに戻したんですが、その作業に苦労したので方法をメモしておきます。また、再びバージョンアップされないようにする設定方法も書き残しておきます。古いPCでChromium browserを使われる場合は設定しておいた方が安心です。

事のあらまし

うちのフラッグシップマシンは富士通FMV DESKPOWER CE22DといってCPUにAMD Athlon™XP プロセッサ 2200+を搭載しています。富士通サイトによると大容量256MBメモリ搭載との事ですが、うちではさらに512MB追加して、なんと768MBもあります。

このフラッグシップマシンに OS Linix Mint 13(LTS: Long Term Support)を入れて動かしているわけです。ところがapt-get upgradeしたらChromium browserが動かなくなりました。アイコンをクリックしても反応がないので、コンソールで chromium-browser & と打つと「Illegal instruction」と表示されます。

調べてみたところ、Chromium browserも、それがベースのGoogle ChromeもSSE2非搭載のパソコンでは動かなくなったらしいです。

Linux Mint Forums • View topic – Updated Chromium browser not workingより

That’s it! Anybody else had this problem? Anybody know how to solve it? Although the AthlonXP doesn’t have SSE2 I’ve always been able to run earlier versions of the browser without trouble before. Opera and Firefox both run fine. Any experts out there know how to fix this? Could it be down to a hardware problem? Any help or advice would be very welcome.

Googleによる翻訳(訳文のまま)

以上です!誰もが他にこのような問題を持っていた?誰でもそれを解決する方法を知っている? AthlonXPのがSSE2を持っていませんが、私は常に前に問題なくブラウザの以前のバージョンを実行することができました。 OperaとFirefoxは両方問題なく動作。そこに任意の専門家がこの問題を解決する方法を知っている?それがダウンしてハードウェアの問題になるだろうか?すべてのヘルプやアドバイスは非常に歓迎されるでしょう。

Chromiumの便利なところは、他のパソコンでChromiumやGoogle Chromeを立ち上げても、ログインすればお気に入りが保存されているという点。我が家のフラッグシップマシンのLinuxでChromiumに登録したブックマークが、他のWindows PCで立ち上げたGoogle Chromeで、そのまま使えるというスグレモノです。

さらに恐ろしいことにいろいろなサイトへのログインパスワードも保存されていて、はじめて使うパソコンでサイトを開いてもパスワードが当たり前のように入力されています。これが便利なんですが、グーグルに情報を抜かれているという懸念もあります。(Google Syncというサービスのようです)

そんなChromiumですが、我が家のフラッグシップマシンで立ち上がらないと見たいページがどこにあるのかわかりません。firefoxなど他のブラウザは立ち上がるのでWebは見られますが、使い慣れていないブラウザだと、お気に入りも登録してないし不便です。

そこで、Chromiumを古いバージョンに戻すことにしました。これが結構大変でした。といっても、知らないことを調べるのが大変だったのであって、作業そのものは大した量ではありません。

apt-getでバージョンを指定してインストールする(失敗)

最初にやったのはapt-getで古いバージョンに戻すという作業。ただ、これは rollback する方法が見つからなかったので、一旦入れてしまった新しいChromium browserを削除して、古いバージョンを指定してインストールという事に挑戦しました。しかしこれは失敗します。

参考までにrollbackとは次のような意味です。

ロールバックとは 【 rollback 】 – 意味/解説/説明/定義 : IT用語辞典より

データベースに障害が発生したときに、記録してあるチェックポイントにまでデータを巻き戻して、改めて処理を開始すること。バックアップ時のデータは再現されるが、それ以降に行った処理は失われる。主に、データベースの論理的障害に対して用いられる。

現在インストールされているバージョンを調べる

まず、今入っているバージョンがわからないとそれより古いバージョンがわからないので、コンソールで dpkg -l | grep chromium と実行します。これでインストールされているすべてのパッケージから chromium を含むものを抽出します。

dpkg -l は debian系Linuxでインストール済みのパッケージをすべて表示するコマンドです。その結果をUNIX系のOSで使えるパイプ | にかけて、grep コマンドで chromium を含むものだけ抽出して表示しています。

下の例は、復旧後の現在の状態です。実際に削除したバージョンは 36.0.1985.125-0ubuntu1.12.04.0 です。

$ dpkg -l | grep chromium
ii  chromium-browser                       32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1~20140204.866.1 Chromium browser
ii  chromium-browser-l10n                  32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1~20140204.866.1 chromium-browser language packages
ii  chromium-codecs-ffmpeg                 32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1~20140204.866.1 Free ffmpeg codecs for the Chromium Browser

この時、先頭に i と表示されたものが現在インストールされているものです。先頭に r と表示された場合は既に削除されたもので、h の場合はホールドされているものという意味です。

これで、バージョンが32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1~20140204.866.1の3つのパッケージ、chromium-browser、chromium-browser-l10n、chromium-codecs-ffmpegがインストールされていることがわかります。(繰り返しますが実際に削除したのは 36.0.1985.125-0ubuntu1.12.04.0 で、上の例は復旧後の現在コマンドを打ち込むとこうなるという例です)

インストールされている動かないバージョンを削除する

apt-getでアップグレードする場合なら、古いファイルを削除しないでも自動で入れ替えてくれますが、今回はダウングレードなのでトラブルが起きないように念の為、今入っているバイナリーは事前にアンインストールしておくことにしました。

sudo apt-get remove chromium-browser chromium-browser-l10n chromium-codecs-ffmpeg

これで、削除できたはずなのですがもういちど dpkg -l | grep chromium で確認するとまだ残っていました。そこで dpkg で削除を試みます。

dpkg -r chromium-browser chromium-browser-l10n chromium-codecs-ffmpeg

そうすると,必要なら –purge を使えというようなメッセージが出たので –purge オプションで全部削除しました。設定ファイルが残っていたのが原因です。

dpkg -r パッケージ名 (設定ファイルは残して実行ファイルを削除する)
dpkg –purge パッケージ名 (設定ファイルも含め全てのファイルを消去する)

設定ファイルは残っていても問題ないかと思いましたが、ブックマークは保存されているわけだし、あくまで念の為に削除しておきました。ただし、復旧後に再設定は必要になります。

再インストール後、パスワードが保存できなくなった場合は設定画面で、一度「このユーザーを削除」を実行します。警告が出ますが構わずに削除して、再び同じユーザーでログインすればパスワードが自動入力されるようになります。

chromiumの設定画面

インストールできるバージョンを調べる

今入っているバージョンがわかったので、それより古いバージョンを入れればいいわけですが、やり方がわかりません。そこで、参考にしたのがこちらのサイトです。

apt-getで特定のバージョンをインストールする – Ryoの開発日記

今使っているシステムに、どのバージョンのバイナリーが入れられるのかは apt-cache showpkg パッケージ名 でわかるらしいです。

実際に apt-cache showpkg chromium-browser と打ってみました。非常に見にくいのですが、36.0.1985.125-0ubuntu1.12.04.0~pkg897 と 32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1~20140204.866.1 なら入るみたいです。動かなかったのが 36.0.1985.125-0ubuntu1.12.04.0 なのだから 32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1 にすればいいようです。

$ apt-cache showpkg chromium-browser
Package: chromium-browser
Versions: 
36.0.1985.125-0ubuntu1.12.04.0~pkg897 (/var/lib/apt/lists/archive.ubuntu.com_ubuntu_dists_precise-updates_universe_binary-i386_Packages) (/var/lib/apt/lists/security.ubuntu.com_ubuntu_dists_precise-security_universe_binary-i386_Packages)
 Description Language: 
                 File: /var/lib/apt/lists/archive.ubuntu.com_ubuntu_dists_precise_universe_binary-i386_Packages
                  MD5: f899058e5c597ae295f6ef23b467dade
 Description Language: en
                 File: /var/lib/apt/lists/archive.ubuntu.com_ubuntu_dists_precise_universe_i18n_Translation-en
                  MD5: f899058e5c597ae295f6ef23b467dade
 Description Language: ja
                 File: /var/lib/apt/lists/archive.ubuntu.com_ubuntu_dists_precise_universe_i18n_Translation-ja
                  MD5: f899058e5c597ae295f6ef23b467dade

32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1~20140204.866.1 (/var/lib/dpkg/status)
 Description Language: 
                 File: /var/lib/apt/lists/archive.ubuntu.com_ubuntu_dists_precise_universe_binary-i386_Packages
                  MD5: f899058e5c597ae295f6ef23b467dade
 Description Language: en
                 File: /var/lib/apt/lists/archive.ubuntu.com_ubuntu_dists_precise_universe_i18n_Translation-en
                  MD5: f899058e5c597ae295f6ef23b467dade
 Description Language: ja
                 File: /var/lib/apt/lists/archive.ubuntu.com_ubuntu_dists_precise_universe_i18n_Translation-ja
                  MD5: f899058e5c597ae295f6ef23b467dade

18.0.1025.151~r130497-0ubuntu1 (/var/lib/apt/lists/archive.ubuntu.com_ubuntu_dists_precise_universe_binary-i386_Packages)
 Description Language: 
                 File: /var/lib/apt/lists/archive.ubuntu.com_ubuntu_dists_precise_universe_binary-i386_Packages
                  MD5: f899058e5c597ae295f6ef23b467dade
 Description Language: en
                 File: /var/lib/apt/lists/archive.ubuntu.com_ubuntu_dists_precise_universe_i18n_Translation-en
                  MD5: f899058e5c597ae295f6ef23b467dade
 Description Language: ja
                 File: /var/lib/apt/lists/archive.ubuntu.com_ubuntu_dists_precise_universe_i18n_Translation-ja
                  MD5: f899058e5c597ae295f6ef23b467dade


Reverse Depends: 
  pepflashplugin-installer,chromium-browser 23.0
  chromium-codecs-ffmpeg,chromium-browser 4.0.203.0~
  pepflashplugin-installer,chromium-browser 23.0
  djview-plugin,chromium-browser
  djview-plugin,chromium-browser
  chromium-codecs-ffmpeg-extra,chromium-browser 4.0.203.0~
  chromium-codecs-ffmpeg,chromium-browser 4.0.203.0~
  chromium-browser-l10n,chromium-browser
  chromium-browser-l10n,chromium-browser 36.0.1985.125-0ubuntu1.12.04.0~pkg897.1~
  chromium-browser-l10n,chromium-browser 36.0.1985.125-0ubuntu1.12.04.0~pkg897
  chromium-browser-l10n,chromium-browser
  chromium-browser-l10n,chromium-browser 32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1~20140204.866.1.1~
  chromium-browser-l10n,chromium-browser 32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1~20140204.866.1
  chromium-browser-dbg,chromium-browser 36.0.1985.125-0ubuntu1.12.04.0~pkg897
  mythbuntu-desktop,chromium-browser
  mozplugger,chromium-browser
  lxde-core,chromium-browser
  lxde,chromium-browser
  lubuntu-desktop,chromium-browser
  gecko-mediaplayer,chromium-browser 4.0
  djview-plugin,chromium-browser
  djview-plugin,chromium-browser
  chromium-codecs-ffmpeg-extra,chromium-browser 4.0.203.0~
  chromium-codecs-ffmpeg,chromium-browser 4.0.203.0~
  chromium-browser-l10n,chromium-browser 18.0.1025.151~r130497-0ubuntu1
  chromium-browser-dbg,chromium-browser 18.0.1025.151~r130497-0ubuntu1
Dependencies: 
36.0.1985.125-0ubuntu1.12.04.0~pkg897 - gconf-service (0 (null)) libasound2 (2 1.0.23) libatk1.0-0 (2 1.12.4) libc6 (2 2.15) libcairo2 (2 1.6.0) libcap2 (2 2.10) libcomerr2 (2 1.01) libcups2 (2 1.4.0) libdbus-1-3 (2 1.2.14) libexpat1 (2 1.95.8) libfontconfig1 (2 2.8.0) libfreetype6 (2 2.3.9) libgcc1 (2 1:4.1.1) libgconf-2-4 (2 2.31.1) libgcrypt11 (2 1.4.5) libgdk-pixbuf2.0-0 (2 2.22.0) libglib2.0-0 (2 2.26.0) libgssapi-krb5-2 (2 1.6.dfsg.2) libgtk2.0-0 (2 2.24.0) libk5crypto3 (2 1.6.dfsg.2) libkrb5-3 (2 1.6.dfsg.2) libnspr4 (2 1.8.0.10) libnss3 (2 3.14.3) libpango1.0-0 (2 1.22.0) libstdc++6 (2 4.6) libudev0 (2 147) libx11-6 (2 2:1.4.99.1) libxcomposite1 (2 1:0.3-1) libxcursor1 (4 1.1.2) libxdamage1 (2 1:1.1) libxext6 (0 (null)) libxfixes3 (0 (null)) libxi6 (2 2:1.2.99.4) libxrandr2 (2 2:1.2.99.2) libxrender1 (0 (null)) libxss1 (0 (null)) libxtst6 (0 (null)) zlib1g (2 1:1.1.4) xdg-utils (0 (null)) chromium-codecs-ffmpeg-extra (18 0.6) chromium-codecs-ffmpeg (2 0.6) dpkg (2 1.15.6~) chromium-browser-l10n (0 (null)) chromium-browser-inspector (0 (null)) chromium-browser-inspector (0 (null)) 
32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1~20140204.866.1 - gconf-service (0 (null)) libasound2 (2 1.0.23) libatk1.0-0 (2 1.12.4) libc6 (2 2.15) libcairo2 (2 1.6.0) libcap2 (2 2.10) libcomerr2 (2 1.01) libcups2 (2 1.4.0) libdbus-1-3 (2 1.2.14) libexpat1 (2 1.95.8) libfontconfig1 (2 2.8.0) libfreetype6 (2 2.3.9) libgcc1 (2 1:4.1.1) libgconf-2-4 (2 2.31.1) libgcrypt11 (2 1.4.5) libgdk-pixbuf2.0-0 (2 2.22.0) libglib2.0-0 (2 2.18.0) libgnutls26 (2 2.12.6.1-0) libgssapi-krb5-2 (2 1.6.dfsg.2) libgtk2.0-0 (2 2.24.0) libk5crypto3 (2 1.6.dfsg.2) libkrb5-3 (2 1.6.dfsg.2) libnspr4 (2 1.8.0.10) libnss3 (2 3.14.3) libpango1.0-0 (2 1.22.0) libstdc++6 (2 4.6) libudev0 (2 147) libx11-6 (2 2:1.4.99.1) libxcomposite1 (2 1:0.3-1) libxcursor1 (4 1.1.2) libxdamage1 (2 1:1.1) libxext6 (0 (null)) libxfixes3 (0 (null)) libxi6 (2 2:1.2.99.4) libxrender1 (0 (null)) libxss1 (0 (null)) libxtst6 (0 (null)) zlib1g (2 1:1.1.4) xdg-utils (0 (null)) chromium-codecs-ffmpeg (18 0.6) chromium-codecs-ffmpeg-extra (2 0.6) dpkg (2 1.15.6~) chromium-browser-l10n (0 (null)) chromium-browser-inspector (0 (null)) chromium-browser-inspector (0 (null)) 
18.0.1025.151~r130497-0ubuntu1 - gconf-service (0 (null)) libasound2 (2 1.0.23) libbz2-1.0 (0 (null)) libc6 (2 2.15) libcairo2 (2 1.6.0) libcups2 (2 1.4.0) libdbus-1-3 (2 1.2.14) libexpat1 (2 1.95.8) libfontconfig1 (2 2.8.0) libfreetype6 (2 2.3.9) libgcc1 (2 1:4.1.1) libgconf-2-4 (2 2.31.1) libgcrypt11 (2 1.4.5) libgdk-pixbuf2.0-0 (2 2.22.0) libglib2.0-0 (2 2.20.0) libgtk2.0-0 (2 2.24.0) libnspr4 (2 1.8.0.10) libnss3 (2 3.12.3) libpango1.0-0 (2 1.20.0) libpng12-0 (2 1.2.13-4) libstdc++6 (2 4.6) libudev0 (2 147) libx11-6 (0 (null)) libxext6 (0 (null)) libxfixes3 (0 (null)) libxrender1 (0 (null)) libxss1 (0 (null)) zlib1g (2 1:1.2.3.3.dfsg) libnss3-1d (2 3.12.3) xdg-utils (0 (null)) chromium-codecs-ffmpeg (18 0.6) chromium-codecs-ffmpeg-extra (2 0.6) dpkg (2 1.15.6) chromium-browser-l10n (0 (null)) chromium-browser-inspector (0 (null)) chromium-browser-inspector (0 (null)) 
Provides: 
36.0.1985.125-0ubuntu1.12.04.0~pkg897 - www-browser chromium-browser-inspector 
32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1~20140204.866.1 - www-browser chromium-browser-inspector 
18.0.1025.151~r130497-0ubuntu1 - www-browser chromium-browser-inspector 
Reverse Provides: 

上記サイトによると、バージョンを指定してインストールするには、sudo apt-get install パッケージ名=バージョン というようにパッケージ名の後にイコールでバージョンをつければいいみたいです。

実際にsudo apt-get install chromium-browser=32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1としてみたのですが、バージョンが見つからない旨のエラーが返ってきます。

バージョン指定の仕方が違うのかと、
sudo apt-get install chromium-browser=32.0.1700.107 や
sudo apt-get install chromium-browser=32.0 など右から順に一区切りづつ削っていき、更には
sudo apt-get install chromium-browser=32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1~20140204.866.1.1~ など、右に追加することも試しましたが、結果は全部同じでした。

コマンドのオプションは正しいのだと思いますが、アップデートした際にどうやらリポジトリが変わったようです。指定したバージョンがリポジトリになければ当然、コマンドは失敗します。

.debパッケージを手動ダウンロードしてインストール(成功)

apt で入れられなくてもパッケージさえ手に入れば dpkg でインストールできます。ということでソースの在り処を検索しました。入れるものはわかっているので、そのまま chromium-browser 32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1 というキーワードで検索したら chromium-browser 32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1 が見つかりました。

i386 build of chromium-browser 32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1~20… : stage for security updates : “Canonical Chromium Builds” team

このページのいちばん下に Built files という項目があって同時にインストールが必要なものも全部ダウンロードできます。今回ダウンロードしたのは下の中で赤文字の4つです。dbgを含むものはデバッグ用(開発用)なので必要ありません。

chromium-browser-dbg_32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1~20140204.866.1_i386.deb (543.9 MiB)
chromium-browser-l10n_32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1~20140204.866.1_all.deb (3.1 MiB)
chromium-browser_32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1~20140204.866.1_i386.deb (33.7 MiB)
chromium-codecs-ffmpeg-dbg_32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1~20140204.866.1_i386.deb (625.6 KiB)
chromium-codecs-ffmpeg-extra-dbg_32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1~20140204.866.1_i386.deb (1.4 MiB)
chromium-codecs-ffmpeg-extra_32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1~20140204.866.1_i386.deb (695.8 KiB)
chromium-codecs-ffmpeg_32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1~20140204.866.1_i386.deb (361.6 KiB)

4つのファイルをダウンロードして、どこか1つのフォルダの中にまとめます。そして、そのディレクトリの中で、次のコマンドを実行すればインストールできます。

sudo dpkg -i chromium-browser-l10n_32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1~20140204.866.1_all.deb chromium-browser_32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1~20140204.866.1_i386.deb chromium-codecs-ffmpeg-extra_32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1~20140204.866.1_i386.deb chromium-codecs-ffmpeg_32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1~20140204.866.1_i386.deb

この時、大切なのは4つ全部を同時にインストールするという事です。

4つのファイルはそれぞれお互いに必要なので、どれかがインストールされていない場合は、必要なファイルがないというエラーが出ます。なので4つまとめずに、次のようにひとつづつ順番にインストールしようとするとエラーになります。

sudo dpkg -i chromium-browser-l10n_32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1~20140204.866.1_all.deb
sudo dpkg -i chromium-browser_32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1~20140204.866.1_i386.deb
sudo dpkg -i chromium-codecs-ffmpeg-extra_32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1~20140204.866.1_i386.deb
sudo dpkg -i chromium-codecs-ffmpeg_32.0.1700.107-0ubuntu0.12.04.1~20140204.866.1_i386.deb

4つインストールしましたが、 dpkg -l で確認すると先ほどの3つだけが表示されます。chromium-codecs-ffmpeg-extra は chromium-codecs-ffmpeg とマージされたのか、不要だったのかもしれません。

apt-get upgrade でバージョンアップしないように設定する

これで、無事に起動できる chromium に戻りました。ただ、このままだと次に apt-get upgrade をした時、またバージョンアップされてしまいます。

そこで、それを抑制する設定をします。参考になったのは次のサイトです。

Debian(Ubuntu)で apt-get upgrade で自動更新したくない場合の対応 | レンタルサーバー・自宅サーバー設定・構築のヒント

上記のサイトで、2つの方法が非常に詳しく説明されています。そのうちのひとつ目を私は実行しました。

$ echo chromium-browser hold | sudo dpkg --set-selections
$ echo chromium-browser-l10n hold | sudo dpkg --set-selections
$ echo chromium-codecs-ffmpeg hold | sudo dpkg --set-selections

これで apt-get upgrade をしても、3つのファイルは保留されて、アップグレードされなくなりました。

$ sudo apt-get update
$ sudo apt-get upgrade
パッケージリストを読み込んでいます... 完了
依存関係ツリーを作成しています                
状態情報を読み取っています... 完了
以下のパッケージは保留されます:
  chromium-browser chromium-browser-l10n chromium-codecs-ffmpeg
アップグレード: 0 個、新規インストール: 0 個、削除: 0 個、保留: 3 個

amazonで中古パソコン検索

極悪?Windows XP はダメで危険なOSなのか?

これは、永江一石さんの書かれた記事「XP使い続けるような会社とは絶対に仕事しないし、客にもなりたくない」に触発されて書きました。記事の趣旨に異論はないんです。ないんですが、読んでて感じた違和感がありました。まるで Windows XP が極悪人みたいです。「危険なXPを使い続けるのは、無知と言うより自分勝手きわまりないと思う」とか「XPからのメールはマジ、全拒否したい」とか。Windows XP って長期間シェアのトップを君臨し続けたOSがそんなに危険で、悪いOSなんでしょうか。

これは、永江一石さんの書かれた記事「XP使い続けるような会社とは絶対に仕事しないし、客にもなりたくない」に触発されて書きました。

永江さんの記事の趣旨に異論はないんです。ないんですが、読んでて感じた違和感がありました。まるで Windows XP が極悪人みたいです。

「危険なXPを使い続けるのは、無知と言うより自分勝手きわまりないと思う」とか「XPからのメールはマジ、全拒否したい」とか。

Windows XP って長期間シェアのトップを君臨し続けたOSがそんなに危険で、悪いOSなんでしょうか。

新しい機能にこそ穴は出やすい

新しいOSがいいのかといえば、必ずしもそうとは言い切れないと思います。

何故かというと、新しい機能にこそ穴は出やすいから。

大勢に使われ、何年も稼動しているシステムならそれだけ、バグは発見されつくされていて、穴がなくなっている可能性があります。それに比べ、テスト回数が少なくて、稼働実績が少ないものほど、見つかっていない穴が潜在している可能性は高くなります。

例として、F1マシンで考えてみます。ストーブシーズンに、昨シーズンのマシンとシェイクダウン中の、来シーズンのマシンを比べたらどうなるでしょう。

速いのは新しいマシンかもしれません。でもトラブルが出やすいのも新しいマシンじゃないでしょうか。そのトラブルをなくすためのテストがシェイクダウンなんだから。

シェイクダウンの初期に2台を比べれば、昨シーズンの1年間、実戦というテストを重ね続けた、古いマシンの方が安定しているんじゃないでしょうか。

ただ、もしも「好きな方に乗っていいよ」と言われたら、新しいマシンに乗りたいですけどね。

枯れたOSは安定している

インターネットの黎明期、今ではサーバー用OSで主流になりつつある Linux が出てくるまで、サーバー用途にはBSD系のOS、中でも FreeBSD が主流でした。

Linux が人気を得はじめた頃、多くの FreeBSD ユーザーが主張していたのが、こういう内容です。

FreeBSD はもう何年も止まらずに稼動しているサーバーがいくつもあって、信頼できる。

つまり、新しい Linux よりも、古くて実績のある FreeBSD の方が信頼できる。という主張です。

確かに、せっかく安定稼働していたのに、バージョンアップしたらおかしくなったという例はあります。

だから、この主張自体は正しいと思うんです。新人よりもベテランの方が信頼できる。

今のシステムに困っていないなら、いじるなという意見もあります。

発展するためには育てること

でも、その理屈を企業に当てはめた場合、疑問が出てきます。定年間近の社員しかいない企業に発展性はあるでしょうか。

発展するためには、信頼のおけない新人を、信頼できるようになるまで育てるしかないです。

現在では Linux は充分に発展し、安定しているし信頼されています。

考えてみれば、FreeBSD が何年も止まらずに稼動していたのは、世に出て何年も経っていたからであって、出てきたばかりの Linux が長期間稼動していなかったのは当たり前の話だったんじゃないのかな。

Windows XP はダメなのか

Windows XP のサポートがまもなく終了するけど、新しい Windows の方が安定しているのでしょうか。

さっき書いたように、新しい機能がある新OSの方が見つかっていない穴は多いかもしれません。

10年以上にわたって大勢にテストされ続けた XP が、Windows8 よりも安定している可能性はあります。

もしも、新機能にバグがあった場合どうなるでしょう。Windows8 の新機能にバグがあった場合、攻撃の被害に遭うのは Windows8 であって、XP は被害を受けません。

そういう事態が発生する可能性もありますね。

むしろ、セキュリティ・アップデートをしないなら、Windows8 の方が、より危険かもしれません。

それなら XP を使い続けても大丈夫なのでしょうか。重要なのはここです。

問題なのは修正されないこと

OSが古いこと自体には、何も問題はありません。問題なのは修正されないことです。

修正されないという事は、発展しないという事ですから。

セキュリティホールが見つかった場合、パッチが配布されて、Windows8 の穴は塞がれます。穴がひとつ塞がって Windows8 の信頼性は上昇します。

では、もしも Windows XP にまだ発見されていないセキュリティホールが見つかった場合はどうなるでしょう。

セキュリティパッチは配布されないので、被害に遭い続けることになります。ここが、重要です。

OSが古いことが悪いのではなくて、修正されない事が悪いんです。

「XPくんは悪くないんだからね!」

信用を得るための投資

検切れの車を運転して事故を起こせば、ただの事故より問題があります。もしも、車検切れの車を運用してる企業があれば信用失墜でしょう。同じ事はパソコンにもいえます。企業にとっては、車もパソコンも同じ道具ですから。

重要なのは、4月になれば Windows XP は車検の切れた車と同じだということ。車検の切れた車は点検に出さないといけないし、点検できないのであれば買い替えるしかないです。予算かかって苦しくなりますが。

そして、新しい機能が必要ならバージョンを上げるしかないという事があります。古いバージョンの機能だけで足りるならバージョンを上げる必要はないのかもしれません。機能が少ない方が安定稼働出来るかもしれません。

でも、顧客が望むサービスに対応できるだろうかという疑問があります。日に日に進歩する技術の中で、顧客満足度を考えた場合、古い機能だけで対応できるでしょうか。お客は、古いF1と新しいF1のどちらに乗りたいでしょうか。

ということで、定年間近の社員しかいない企業に発展性はないように、新しいパソコンにも投資をしないと発展しないし、信用されないのかもしれないな。なんて思ったのでした。

そういえば、Windows XP が出たばかりの頃、生まれて初めてパソコンを買うから、一緒に行って教えてと頼んだYさんは、アキバでノートのVAIOを抱きしめながら「絶対大事にする!一生このVAIOを使い続ける!」と感激しながら言っていたけど、まだ使っているのかな?